HER-DAY



 ある晴れた日の鴨川ジム。今日も今日とて男達が己の身体を鍛え上げている。

「ただ今帰りましたー!」

 とそこに、そんな男くさいジムには不似合いの明るい女性の声が響く。
 その女性は臆する事無く、ジムの扉を抜けて中へと入ってくる。
 彼女の名前は。わけあってこのジムの会長に引き取られてきた女性である。

「あ、お帰りなさいさ――」
「よ! 幕之内。元気にしとったか?」
「また来られたんですか、千堂さん…」
「おうよ。今日はの誕生日やからな! それを祝うたろうというワイの暖かーい心使いや!」

 わははと笑う千堂を一歩とはジト眼でみて、二人でわざとらしく溜息をついてみせた。
 浪速のロッキー事千堂武士。大阪がホームグラウンドの彼が何故東京の鴨川ジムにいるかというと、理由はいたって簡単である。
 以前あった全日本新人戦の時に、幕之内がどんな奴かを見定めに来た際に鴨川ジムのサポートをしていたと遭遇。
 以来何の用事もないのに大阪を抜け出しては月二回のペースで此方に足繁く通う毎日。
 お陰でメニューがガタガタだと嘆く柳岡を尻目に、惚れた女を追いかけるボクサーにはあるまじき生活だ。

 しかし今の二人の関係は『喧嘩友達』といった微妙な状態で。
 千堂にもう少し甲斐性があれば、少なくとも今のヤキモキする様な状況からは脱せられるのだが…
 如何せん、千堂が妙な所でヘタレなので未だに一度もその思いを彼女にぶつけてはいない。
 しかしの明朗快活な性格と、物怖じしない強気な態度、強い意思が宿る瞳、トレードマークのポニーテール。
 そして時折垣間見せる年頃の女の子らしさとのコラボレーションに惹かれて、密かに彼女を思う男連中は少なくない。

さん、迷子の虎は捕まったのか?」

 ジムの片隅でストレッチをしている宮田がに声をかける。
 カウンターの貴公子こと宮田一郎――
 彼もまたに密かに想いを寄せる一人だったりする。

「一応捕まえてはきたわよ。ちょっとぐずったけどね」
「…そのまま放って置けばよかったのに」
「何か言った、宮田君」
「いや別に」

 ぽそりと何気なく怖い事を言う宮田。聞き返してきたの言葉に顔色一つ変えずに受け流す。
 まあ、無理もない。想いを寄せる女性が自分以外の男を追いかけていったのだから。しかも自分の目の前で。



 千堂が影から隠れて見ているのには気付いていた。
 だけど、宮田はそれには気付かない振りをしてにプレゼントを渡した。
 自分なりの笑顔を付け加えて。
 それを見たのだろう。千堂が走り去る気配がした。
 宮田は密かに、勝利を確信した。
 しかし――
 は宮田からのプレゼントのイヤリングをポケットに入れるなり、パンッと手をあわせて頭を下げた。

「ごめん、宮田君! 私あの馬鹿捕まえてくるわ」
「…はいはい」

 その一言を聞くなり、彼女は一目散に駆け出した。

 ――俺はあの虎以下か?

 少々そんな考えが浮かびはしたが、そんな事を考えていても仕方ない。
 彼女の事だから、自分の目の前で逃げられたのが気に食わないという、至極色気のない理由だろう、と思い直して自分を落ち着かせる。
 暫くすれば戻ってくるだろうと思い、宮田はジムへと足を向けた。



「迷子の虎って何なんや、宮田!」
「別に。そのままの意味だけど?」
「かーっ! 相変わらずスカしとんなぁ、キサマは!
 それになんで他ジム所属のキサマがここでストレッチしとんねん!」

 つかつかと宮田の側まで寄り掴みかからんばかりの勢いで迫る千堂。
 その様子を横目で見ながら、宮田はあくまで冷静に答える。

「木村さんとスパーの約束してんだよ。まだ来てないみたいだから先に身体ほぐしてるだけだ」
「ああ… さよで」

 勢いを削がれた千堂はくるりと方向を転換して、またもにちょっかいをかけようと歩み寄る。
 するとまるでそのタイミングを見計らっていたかのようにジムの奥の方から人が現れた。

「あ、さん! おかえりなさい」
「ただいま、板垣君――って何よ、その巨大な包みは」

 ジムの奥から出てきた板垣は一歩と一緒に何やら妙に大きな包みを持っていた。
 包みの口からは、白いふわふわとした長い何か。

「先パイ、せーのでいきますよ」
「うん、板垣君」

 二人はリボンの端を持って、一度視線を交わして、せーのでそれを引っ張る。
 ぱらりと包みがほどけ、現れたのは大きな某有名ウサギのヌイグルミ。

『誕生日、おめでとうございます!』
「おおおっ! これはっ!」

 そばに駆け寄り、ぺたぺたと触る。そしてついでに頬擦り。

「これ欲しかったのよー。ありがとう二人とも!」
「いえいえ、どういたしましてさん」
「大切にしてもらえたら嬉しいんですけど…」

 後で部屋まで運びますね、と一歩が言う。

「――ヌイグルミ…。基本を突かれるとはね」
「せやな… 、あんなんに弱かったんやな…」

 ヌイグルミにじゃれ付いて幸せそうな顔をしているを、千堂と宮田の二人は見つめていた。

「そういや千堂、お前何やったんだよ」
「は? 一体何の事や?」
「…ジョルトいっとくか?」

 暗い光を眼に宿らせて身構える宮田。本気だ。
 案外短気な宮田にちょっと怯えつつも、千堂はの方を指差す。

「ワイのはペンダントや。ほれ、今がしとるヤツ」
「何ッ!」

 言われてよくよくの首元を見てみると、確かに光る銀の鎖がある。
 ――俺のはつけてないのに何で千堂のだけ!
 かなりジェラシーにかられる宮田。その宮田を見て、千堂が小馬鹿にするように鼻で笑う。

「宮田〜、キサマのプレゼントは何やったんや〜」
「…………」
「人にはいわせとって自分は言わんつもりか? 狡いやっちゃなぁ〜」
「……――ングだ」

 俯いて、ぼそりという。
 千堂はワザとらしく、片手を耳に当てて宮田に近づく。

「なんやなんや、そないな小さい声やったら聞こえんでぇ〜」

 まさにここぞとばかりに宮田をいじめる千堂。
 すると宮田は急に顔を上げたかと思うと、カウンター気味に拳を千堂の顔に当てたと同時に、

「イヤリングだ!」

 と鋭く言い放った。
 あいたたと言い、顔を押さえる千堂に、続けてボディを連打する。

「どーせ俺は目の前で彼女に逃げられたよ! やったプレゼントもつけてもらってないさ!
 だからってそれがどーした! 大体こんな事になったのもお前が逃げたりするからだろーが!!」

 あくまで千堂に聞こえる程度の声で言いながらラッシュをかけ、フィニッシュは踵落とし。何故最後だけボクシング技でないのかは謎だ。
 脳天に踵を受け、完全に沈黙した千堂を見下ろして宮田は何かを成し遂げたようにさわやかに汗を拭く。

「ふう… 少しは気が晴れたな」
「宮田―― そこはそう爽やかに言うべきところじゃないだろ」
「あーあー。千堂のヤツ、見事にのびてっぞ」
「木村さん、青木さん――」

 声をかけられたほうを見ると、何時の間にジムに入ってきたのか木村と青木の両名がすぐ近くまできていた。

「…何時から聞いてました?」
「割と最初ッから」
「俺は一応止めたんだがな、面白そうだったんでつい」

 ぎろりと睨むも効果はなく、笑い飛ばされる。

「あ、青木さんに木村さん。お疲れ様です」

 ヌイグルミと戯れるのをやめ、鴨川ジムの名物コンビに挨拶をする
 そんな彼女に片手だけで返して木村は手に持っていた花束を渡す。

「ハッピーバースデー、ちゃん」
「――ッ! こ、これは!」

 渡されたのは、カスミ草だけで構成された花束。
 白一色のそれは普段は名脇役として名を馳せているが、今ばかりは立派な主役を務めていた。

「前にかすみ草だけの花束を貰うのが夢だって言っていたろ。だからそれにしてみたんだけど…どうかな?」
「嬉しい… これは本当にビックリしました」

 感嘆の声をあげながら手の中の白い束を見つめる。

「かすみ草ってね、外国じゃ”Baby's-breath”って言うんだ。直訳したら”赤ちゃんの吐息”。その雰囲気にぴったりだろ?」
「ホントすっごいぴったり! やっぱり小さな花をつけるところからなんですかね?」
「多分ね。それが集合して、ふんわりとした感じになるからだと思うよ」

 なおも花言葉がどーのこーのと盛り上がる二人をまじまじと見つめる眼が二対。
 宮田と復活した千堂だ。

「……とんだダークホースや」
「かすみ草の花言葉は『無邪気・清い心』 …まぁ、まだ大丈夫か」
「なんや、それ。まだ大丈夫ってどないな意味やねん」
「花を使って告白するなんてよくある話だろうが。まさか木村さんに限ってそれはないとは思う――いや思いたい」
「弱気やな、自分」
「いーや、それはどうかな」

 二人でぼそぼそと話しているところに横槍を入れたのは青木だ。
 面白そうにニヤニヤと笑いながらなおも続ける。

「さっきの宮田のを聞いて合点がいったんだ。
 俺たちが今日ジムに来るのが遅れたのは、あいつが自分ちで花選んでたからなんだよ」
「それがどないしたんや。にやる花選んでたんやろ?」
「――まさか!」
「お、流石宮田は頭の回転速いな。
 そう。かすみ草だけならそんなに悩まなくてもいいよな。あいつは何か他の花を選んでた。
 そら、ちょうど今渡してるみたいだぜ」

 ほれと指差す方に視線を移すと、木村がもう一つの花束を渡していた。

「ついでにもう一つ。これは俺が選んだ花なんだけど気に入ってもらえるかな?」
「これは… あんまり見ない花ですね」

 かすみ草のそれと比べると、ずいぶんと小さな橙紅色の花束。しかし、綺麗にまとめられているところを見ると、木村の花に対する思いが見て取れる。

「この花は”カカリア” 。別名を”エミリア”というんだ。
 あんまりメジャーな花じゃないんだけど、これ結構気に入っていてね。ヨーロッパの方ではハーブとしても使われてるよ」

 疑問符を浮かべるに丁寧に教える木村。流石実家が花屋の息子、この手の知識はお手の物だ。
 その様子を見ながら、宮田は懸命に頭をひねっていた。

「どないしたんや。そんなに唸って」
「あの花の花言葉… 喉まで出掛かってるんだがどーしても出てこない」

 記憶の糸を引き釣り出そうと努力する宮田。しかしなかなかでてこない。
 そうしている内にも二人の会話は続く。

「へぇ… はじめてみました。
 んで、この花の花言葉はなんですか?」

 は無邪気に笑顔でそう尋ねる。
 その彼女から視線を外して、頬をかきながら木村は答えた。

「いや… それがど忘れしちゃって…
 思い出したら言うからさ」
「わかりました! 中途半端は非常に気になるので是非共に思い出して下さい!」
「――努力するよ」

 そう言って木村は困ったような笑みを浮かべる。ぽんぽんとの頭を叩くと、彼女は子ども扱いしないでください!と、口調を荒げた。

「――! 思い出した!」

 唐突に宮田は手を叩いてそう言った。しかし、心なしかその表情は色を失っている。

「よっしゃ、ようやった! それで、どないな意味もっとんねんあの花は!」
「俺も気になるなぁ。宮田、さっさと言えよ」

 青木は急かせる様に言う。
 やや震える声で宮田は思い出したその意味を呟く。

「……”秘めた恋”」
『…………はい?』
「…いや、だから『秘めた恋』」

 三人の間に、なんともいえない沈黙が降りる。
 最初にその沈黙から脱したのは青木だった。

「木村のヤツ… マジかよ?」
「――マジでしょう、メジャーでない花を持ってくる辺り。年の差ってのも考えて欲しいもんです」
「それよかワイは何でキサマがそんなに花言葉に詳しいのかを知りたいんやけど」
「突っ込みは不可だ、関西人」

 あさっての方を向いて遠い目をする宮田。哀愁漂う横顔に二人はそれ以上何もいえなかった。

「何だ何だ。今日は妙に他ジムの面子が多いな」
『鷹村さん!』

 声の主は鷹村守。ロードワークにいっていたのだろう。軽く息を弾ませながらジムに入ってきた。

「鷹村はん、お久しぶりですー」
「千堂お前また脱走してきたのか! 暇なやつだなぁ」
「いや〜、これでも抜け出すのに苦労しとるんでっせ」
「そうかい。そりゃ大変だな。
 そういや宮田も、最近よく見るな」
「ええ、まあ」
「相変わらずそっけないなー、お前。もうちょっと愛想よくしても罰はあたらんぞ」

 がははと大口を開けながら笑う鷹村。どっかりとジムの壁際においてあるベンチに腰を下ろした。
 そこにとてとてとは近づく。にっこりと笑って一言。

「鷹兄、お疲れ!」
「おう、。タオルくれ、タオル」

 大きな手をの前に差し出すが、その手をぺちっと叩く。
 はさらに笑顔で一言。

「本日はワタクシことさんのお誕生日にございます」
「おう。それで?」
「鷹兄は何もなしでしょうか?」

 極上の笑みできっぱりと言う。
 天下一品の横暴者・鷹村守にここまで言えるのはぐらいな者だろう。

「…つまり、何かくれと」
「うん」

 あああ、あんた勇者だよ! あの鷹村さん相手にそこまで言い切れるなんて!
 その場にいた全員の心内は見事に一致した。
 しかしこんな横暴・理不尽を絵に描いた様な鷹村でも、自分を実の兄のように慕うにはべらぼうに甘い。

「ちゃんと覚えてるぜ、お前の誕生日くらいな。観たがっていた映画のチケットとってある」
「おおおっ! 流石鷹兄! それちょーだい!」
「『守お兄様、プレゼントありがとうございます』って言わにゃやらん」
「うわ! ムゴい!」
「ついでにタオルも早くよこせ」

 流石は理不尽大王・鷹村守。ちょっぴり滅茶な要求を出す事も忘れない。
 は少々迷っていたようだったが、その映画がよほど見たかったのだろう。棒読みではあったが要求された通りの台詞を言ってのけた。
 その腹立たしさをタオルを投げつける事で晴らす事も付け加えてた辺りが、彼女らしい。

「…ま、いいだろ。ほれ」

 着込んでいたジャージの胸ポケットからチケットらしきものを渡す。それを受け取りやったあ!とはしゃぐ

「一体何の映画を見たかったんですか、さん」
「お、一歩君も映画に興味あり?」
「いえ… 特には」
「実はあたしもあんまり劇場まで映画を見に行くタイプじゃないんだけど、これだけはどーしても見たくて」
さん、もったいぶらずに教えてくださいよ」

 鴨川ジムミニマムズの一歩と板垣が問い詰める
 すると、ふっふっふと笑いながら、はその二人に向けてチケットを見せた。
 何だかんだ言って、その映画のタイトルが気になる鷹村を除く面子はそれを見る。
 そこに書いてあった文字は――

『少林サッカー・前売り券』

 …あんまし若い年頃の女性が好んでみるもんじゃないと思う。
 てゆーか普通はラヴロマンスとかじゃないのか?
 一同は一斉に同じような事を考える。

「何よ、その顔は! 私は楽しみにしてるんだから!」
「具体的にはどこらへんがなんだ?」

 優しく微笑みながら木村が問う。
 すると、良くぞ聞いてくれましたとばかりにびしっと人差し指を一本立ててこう言った。

「ズバリ、香港映画の馬鹿っぽさ!」
『…は?』
「だーかーらー! あのCMだけでもオーバーヘッドで蹴ったボールが人を薙ぎ倒したり、壁にめり込んだり、あまつさえ芝生が削り取られるなんてシーンがあるじゃないですか!
 あのノリでどこまで突き進んでいるのか是非とも見てみたいのですよ!」

 B級映画バンザーイ! 等と言いながら全くもって楽しそうに話す

「ま… この上なくさんらしいといえば――」
「確かに、らしいんやけどなぁ…」

 それぞれ自分の想い人の暴走ッぷりに頭を痛める。
 そりゃあその天真爛漫さに惹かれたのも確かだけど、時々ちょっと後悔したくなる。
 嗚呼、複雑なりしは男心かな。

「んじゃあ早速明日観に行って来るね! 鷹兄サンキュー!」
「おお。一人でいいのか?」
「だって皆メニュー組んであるから無理でしょ。それくらいは――」
「はいはいはいはい! 、ワイ暇やで〜」
「たまには息抜きも――」
「必要だよな、宮田」

 皆で一斉に堰を切ったかのように名乗りをあげる。
 その光景を見ながら、一歩・板垣の両名は溜息をついた。
 ちらりと責める様に鷹村のほうを見ながら言う。

「今のは鷹村さんが悪いと思います」
「先パイの意見にさんせーい」
「…おう。今回ばかりは認めるわ」
「若い連中は元気だねぇ。若くないのも混じってるけどよ」

 自体を完全に面白がる目で見ながら、青木は言う。

「…青木、おめぇ面白そうだな」
「そりゃぁそうですよ、鷹村さん。俺は完全に関係ないですから。精々事態を引っ掻き回すくらいで」
「あ、青木さん? 例えば何をしようと?」

 恐る恐る聞く一歩ににやり、と口の端を持ち上げる。

「んー… そうだな…
 おーい、ちゃん! 映画の帰りに俺のバイト先によってくれよな。うちのラーメンでよければ一日食い放題にしてやるからよ」
「えっ! ホント!?」
「おう。まぁ、俺からの誕生日プレゼントみてぇなもんだ。誰か一名様まで招待してもいいからよ」

 その青木の一言に三人のボルテージが一気に上がる。
 それに欠片も気付かずにラーメン食べ放題に心奪われる。にっこりと笑って一言。

「ありがとう、青木さん! あそこのラーメン美味しいから大好き!」
「はっはっは。ありがとよ」
「あーおーきーさーんっ!! 本気で火に油を注いでどーするんですかぁーッ!」

 半分涙目で青木の襟元を持ってがくがくと揺さぶる板垣。青木に向けられた嫉妬の視線がどえらく怖い。

「ラーメンと彼女持ちにまで嫉妬してどうする…」
「もう何でもさん絡みのものはお構い無しって感じですねぇ…」

 鷹村、一歩共に半眼になりながら喚く三つ巴の争いを見る。
 そしてようやく板垣の首がくがく攻撃から開放された青木が、喉に手を当てながら一言。

「冷静に考えりゃ、ちゃんに一番効くのは食い物だって事に気付くでしょうにねぇ」
「あいつは色気より食い気だしな」
「何時まで続くと思いますか、先パイ」
「もう暫くしたらさんの雷が落ちて終了に一票…かな」
「――あいつらの先はどうなるんだか」
「ま、当分はこんな感じだと思いますよ俺は」

 苦笑しながら悩む鷹村に答える青木。

「あ、ほら鷹村さん。そろそろちゃんが切れそうですよ」

「あんた達いい加減にしろーーーッッ!!」

『ほら、やっぱり』
「勘弁してくれ…」

 声を揃えて言う三人に、げんなりとした様子でぼやく鷹村であった。

END



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